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コンビュータが文字どおり数値計算専用の道具であった時代は過去のものとなりました.現在コンビュータの用途は,データベース処理,ワードプロセッシング,数式処理,機械翻訳,エキ スパートシステムなど, 非数値処理と呼ばれる分野に拡大しています.そしてまた,それらを統合すべき新しい学問分野として人工知能学も確立しつつあります. その昔,数を扱う学問として出発した数学は, 代数学や位相数学など抽象的構造を扱う分野へと発展した時,自然科学のための大きな武器となりました.それと同様に,非数値処理の能力, 別の言葉でいえばれ知識かを扱う能力を備えたコンビュータは,人聞の思考を助けるための道具として,今後重要な存在になるはずです.それは自然科学の分野のみならず,心理学や哲学という非常に抽象的な概念を扱う分野においても大きな役割を果たすことになるでしょう. 本書ではC言語のリスト処理能力とその具体的な使用法を示す最良の例として, Lisp処理系を作成し,その全ソースリストを掲載しました.ここで作成するLispは,Common Lispを代表とする近代Lisp に欠かせないバッククオート機能やcatch&throw による大域脱出機構,日本語処理機能を備えた本格的なものです.本書をとおして,1人でも多くの方がリスト処理と非数値処理の手法を身につけ,プログラム作成に役立てていただければ幸いです.
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